
マグロ解体パフォーマーの江夏伊織(こうかいおり)さんは、COMYのビジネスシートがきっかけで、新たなビジネスが拡がっているそうです。江夏さんに実例を聞くとともに、ビジネスの拡大とビジネスマッチングの大事な関係性を教えてもらいました。(取材:2025年5月)
夢への応援団が力を貸してくれている
僕はCOMYのシートの「目標」のところに、将来これを叶えたいっていうことをたくさん書いているので、それに反応して応援団になってくれる方が現れています。
例えば、「芸能人とマグロ解体ショーをやりたい」と書いていたら、芸能事務所や芸能関連のイベントをやっている方とつながれて、マグロ解体ショーのイベント会社なのに芸能人ゲストの手配もできますよっていう提案もできるようになりました。芸能人×マグロ解体ショーの共演の予定もあります。
また別の話では、「マグロ解体ショーのオリジナルソングが作りたい」と書いて、作曲家の方とぜひコラボしたいと思っていたんですが、生成AIの使い手の方に音楽の生成AIを教えていただいたんです。作曲家に音楽を作ってもらう形ではなく、AIを使って自分で音楽を作る形は想定外でしたが、自分なりに思い描いていた目的地までのルートとは全く違う角度から夢に最短距離で近づくルートになって、もう実際に5曲くらい作っています。
得たい未来を公言することで、そこに近づけてくれる人が現れた
僕自身、もともとある有名な女優さんとマグロ解体ショーをしたいということを公言していたんです。そうしたら周囲の方々が「あ、江夏さんはこの女優さんが好きなんですね」と盛り上がってくれて。そうしたら、「それだったら、その女優さんじゃないかもしれないけど、芸能事務所に精通している経営者仲間がいるので紹介しますよ」と言ってくれる人が現れたんです。夢を書いたことで、COMY代表の佐野さんの言葉でいう、RASが働いたんでしょうね。
まだその女優さんとはつながっていないですが、本当にもうあと一歩のところまでたどり着いています。あとは何かのきっかけやタイミングで繋がれるかなと思っています。「芸能人とマグロ解体ショーしたいというのは自分の個人的な夢だから恥ずかしい」と思って公言しなければ、近づけてくれる人は現れなかったので、言うことは大事だと思うし、僕自身すごくラッキーだったと思っています。
生成AIによって提供できる興奮・感動・笑顔が増え、音楽レーベル事業も立ち上げ
生成AIとの出会いも結局は同じで、目標とか夢とかを書いていたことで広がったご縁だと思います。「オリジナルソングを作ってもらう」と書いていたのを見て、「僕は作曲家の知り合いはいないんだけど、作曲できる人は知ってるよ」と言われて、どういうことかな?と思ったら、AIが作曲できると聞かされて、知らなかったのでびっくりしたんです。
音楽の生成AIの存在を知ったことで、オリジナルソングを作れて、それを解体ショーやケータリングパーティーで流す曲として活用できています。僕の会社の経営理念は「興奮・感動・笑顔量産企業」なんですよ。マグロでも興奮・感動・笑顔を作れますし、ケータリングでも興奮・感動・笑顔を作れますし、今は音楽による興奮・感動・笑顔も作れるようになりました。そして事業としてもケータリング事業にプラスして音楽レーベル事業を立ち上げることができました。
新たなサービスの可能性を模索する機会としてマッチングを活用する
COMYも含めて、交流会やビジネスマッチングの場において、自分の現状のサービスを伸ばそうとしている人は伸びないです。というのは、本当に自分がやりたいと思っているビジネスだったら、交流会とか経営者団体に入ろうと入るまいと、自分で営業していると思うんです。そうすれば売上は伸びますよね。
交流会やマッチングの場は、異業種と出会うことで新たなサービスの可能性が生まれる機会なんだと思います。僕の場合でいえば音楽レーベルが生まれたり、芸能人とコラボできる商品が生まれたりとか。新たな可能性を探る場としてすごくいいと思います。
ただ、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、自分のサービスがニッチなものであれば、交流会やマッチングの場に来る多くの経営者に知ってもらって、その結果売上が伸びるという側面はあると思います。これは、交流会やマッチングの場のようなビジネスコミュニティに来る方たちは、誰かの夢を応援したいと思っていることが多いので、協力してくれる。その結果として売上が伸びるということです。
知ってもらって応援してくれる人が増えて結果的に売上が伸びることと、売上を上げるぞと意気込んで宣伝することは全然違うことなので、単純に売上だけ上げたいという人は、マッチングみたいな考え方は、COMYも含めて、向いてないんじゃないかと思います。
私は、マッチング相手は自分にとって新しい情報や利益をもたらしてくれる相手なんだと考える様にしています。勿論、相手に対しても同様の思いです。
そうなると、マッチング相手に対して商品は売らず新たなサービスを生み出す事に力が入りますよね。マッチング相手を顧客と見るか?ビジネスパートナーと見るか?その見極めを大切にして欲しいってことを伝えたいですね。